急げ!アナログデータのデジタル化

お客様から古いアナログデータをデジタル化するご依頼をいただき、あれこれ調査した結果として、アナログメディアの種類によっては現時点で急いだ方がいいものがあるようです。


■フィルム

●8mm映画フィルム【緊急度:高】
変換装置が次々と廃番となっている。もしかしたらどのメーカーも現在の在庫で終了の可能性あり。ニーズがニッチになりすぎて新製品は出ない可能性大。既に音声付きは個人での変換は不可能で、専門業者へ依頼する必要ありと考えてよし。

●16mm映画フィルム【緊急度:高】
一般の人が16mmなどを持っていることは通常ないだろうが、現時点で個人作業はほぼ無理で、対応可能な専門業者も限られているので、もし持っているのであれば早急に変換しておくべき。

●35mm写真フィルム【緊急度:低】
ポジもネガもまだ読み取り&変換機器は多数あり。新製品が出てくる可能性もまだ少しはある。万が一専用読み取り機がなくなっても、手間はかかるがフラットベッドのスキャナで対応可能なため、慌てる必要はない。

●中判サイズ以上の写真フィルム【緊急度:中】
中判サイズ以上に対応する読み取り機器は減少中。新製品が出てくる可能性はほぼないが、手間はかかるがフラットベッドのスキャナで対応可能。ただしマウントポジの場合、スキャナではピント合わせがなかなか大変なのでその点は急いだ方がよい。

●その他フィルム【緊急度:高】
その他、上記以外の映画用フィルムはほぼ一般個人では変換不可能と考えてよし。対応可能な専門業者も探せないかも。もし変換が必要であれば一日も早い対応を。なお、写真用は特殊なものをのぞき、上記の通りフラットベッドスキャナで対応可能かと。


■ビデオテープ

●VHS-Cテープ【緊急度:中】
同テープをデジタル化するには、同テープ対応のカメラを使うか、VHSへのアダプター使用が前提となるが、正常稼働するカメラの玉数が激減し、割高になりつつある。同じくアダプターもどんどん値上がり中。現時点ではまだ対応可能だが、新製品の出る可能性は低く、今のうちに手に入れておく必要性大。

●VHS (S-VHS)テープ【緊急度:低】
新製品が出ることはほぼなくなったが、中古市場も含めまだ再生装置は手に入りやすい。ただしVHS-Cカメラ同様、正常稼働品率は日を追うごとにどんどん低下してくると思われるので、注視しておく必要はありそう。

●8mm (Hi8)テープ【緊急度:低】
ソニーのHi8規格のビデオテープであり、中古市場では意外と多くのデッキやカメラが出回っている。ただし正常稼働品はどんどん減っているようなので、気長に待ち過ぎると後悔する可能性もあり。

●miniDVテープ【緊急度:低】
新製品が出なくなってからまだそれほど年月が経っていないので、カメラ自体は中古市場に多量にあり。ただし対応ビデオデッキは元々それほど種類も数も出ていないので、中古市場では既に価格高騰している。

●βビデオテープ【緊急度:中】
VHSに敗れた規格だけに、デッキの数は中古市場にもそれほどないが、ニーズも低いため探しても見つからないということもなさそう。ただし経年による劣化や故障も増えており、正常稼働品は少なくなりつつあるので注意。

●ベータカムテープ【緊急度:中】
業務用ビデオ規格のため、デッキなど再生装置は元々それほど多くないが、中古市場では当時何百万もした装置がタダみたいな値段で叩き売られている。ただし玉数はどんどん減少しているので、万が一同規格のテープを持っている場合は急いだ方がいいかもしれない。


■音声テープ

●オープンテープ(音声)【緊急度:高】
元々がマニア向けの傾向が強かったため、再生機器はまだ中古市場に多数あり。ただし、そろそろテープ自体の劣化が始まっている可能性が高いので、大事なものはなるべく早期にデジタル化しておく必要あり。なお専門業者も映像に比べれば少ない。

●カセットテープ【緊急度:低】
一般には遺物のカセットテープも、一部では現役だったりするので、再生装置はまだ一般市場にも中古市場にも多数あり、デジタル化はそれほど問題ではない。ただしこのまま何年も経つとテープ自体の劣化が心配されるので、大事なものは今のうちに変換しておくことをおすすめ。

●DAT (デジタルオーディオテープ)【緊急度:中】
DATはデジタルデータでありながら、媒体がテープというアナログな素材のため、微妙な感じ。少なくとも再生可能なデッキは中古市場でも減少しているため、大事なものはテープが傷んでしまう前に別媒体にコピーしておいた方がよい。

●その他音声テープ【緊急度:高】
エルカセットなどは、探せば中古市場でデッキを見つけることも出来るが、価格的には恐ろしいくらい高騰している。それらもいつまで稼動出来るか不明な時期になってきているので、大事なテープがあれば早急な対応が必要。


■その他

●アナログレコード【緊急度:低】
アナログの良さが見直され、一時は消滅したかに思われたアナログレコードは、今でも新譜が発売されるほど復活してきており、プレーヤーも多数新製品が発売されている。プレーヤー自体でデジタル化可能なものも出ており、アナログレコードのデジタル化については、SP盤(78回転)を含めこれから本格化すると考えて良さそう。

●写真【緊急度:低】
紙焼きの写真は少し前まで現役だったが、一般にも普及した50年以上前のものは劣化が激しい。早ければ早いほど綺麗な状態で保存できるので、なるべく早急にデジタル化した方がよいと思われる。なお、読み込みに使うフラットベッドスキャナは現時点では通常ラインアップのため、慌てて購入する必要はない。ただし、インスタントカメラによる写真は通常以上に色落ちが激しいので重要なものは早急な対応を。